自分がやったことに対して、誰かからの温かい言葉をかけられるだけでヤル気が一気に高まった、という経験はありませんか。
誰かがしてくれたことに対して、感謝の言葉を述べるだけでなく、ポジティブで前向きで愛にあふれるフィードバックを提供する。こんなことが、相手のやる気を引き出し、可能性を高め、ひいては大きなイノベーションにもつながるのです。
フィードバックをくれるのは、子供の頃なら親かもしれませんし、あるいは、きょうだい、教師、上司、同僚、コーチ、クライアントからかもしれません。
たった一言の言葉、チャットメッセージでも、フィードバックには絶大な効果があるものです。
私も人生を振り返ると、身近な人のほんの一言の言葉がやる気や勇気を鼓舞し、様々な挑戦や達成につながりました。
また、日本の組織、国際機関、その他日本や海外の様々な小さなボランティア団体などにいた経験から感じることは、日本の組織でのフィードバックの少なさです。
自分が期待される以上の何かをやって、あるいは発言して、同僚から無反応であると、自分がやったことがどう思われているのか、どのような価値をうみだしているのかが判らないものです。
日本人の気質なのかもしれませんが、「言わなくてもわかるだろう」という考えが共有されているのか、誰かがしてくれたことを認めたり褒め合う文化がないのでしょうか。あるいは、「出る杭が打たれる」ということで、誰かがリスクをとってやったことが組織のなかではあまりよく思われないのでしょうか。
日本の組織や日本人がフィードバックし合わないとしたら、とても残念ですし、大きな損失にもなると思います。良質なフィードバックがないとせっかくの才能やポテンシャルが埋もれてしまうでしょう。また、才能があり海外にすぐ行けるフットワークのある人にとっては、あまりフィードバックもくれない日本にいるよりは、海外で良質のフィードバックのある環境にいるほうが能力も可能性も高められるので、海外に出てしまうかもしれません。
私がお世話になった大恩人が、ヴィランティ牧野祝子さんが先月(6月14日)出した著書「ポジティブ・フィードバック」(あさ出版)で、
「ポジティブ・フィードバックは思いやりを言語化した良質なコミュニケーション」
であると書いています。
アップル社を創ったスティーブ・ジョブズやGoogleの創立メンバーなどが指示した有名コーチなども、良いところや業績をいつも強調する言葉がけで有名で、「必要な時に相手を思って肯定的な言葉がけのできる、いわゆる『ポジティブ・フィードバックの天才』が、部下やチーム、組織を動かし、成長を促し、導いてきた」、とのことです。
この本ではポジティブ・フィードバックの具体的な方法が満載で、すぐに使えます。
私も、この本を読んでから、身近にいる人(子供や家族を含む)に良いフィードバックを心がけ実践できるようになりました。
この本によって「ポジティブ・フィードバック」が日本でももっと普通に行われるようになり、多くの人がもっとイキイキと働けるようになることを願っています。